コントラバス


(第66回定期演奏会のプログラムより)
 まあこのー、コントラバス、いわゆるベースですね、オーケストラの中では非常に地味ーな存在な訳です。なんというかその、何をやっているのかよく分からない、聞いていても弾いていても音が低すぎて良く聞き取れない、旋律が全然無くてあったとしても脇役のそのまた脇役くらいの存在感しかなくてチェロのお手伝いという感じで、まあ、一般的にというか常識的にというか世間並みに人生を歩んでいてクラシックなんかもあたしったらたまにはきいちゃう人なの、という人達にベースという楽器をどう思いますか、と質問したとしてもこういった答しか返ってこないと、まあ我々ベース弾きは思っていると私ベース弾きの一人として思っているのですがこれは私間違っておりますでしょうか?おそらく世間の常識としてはなんであんなにデカい必要があるの、え、あれって一人で持ち歩けるの、えーと、あれってエレキベースとは違うわよね、あれって普通の車に積めるの、もっとちっちゃくてかっこいい楽器はたくさんあるじゃん、多少好意的な意見として、ああ、ベースね、チェロの大きな奴、あれやってらっしゃるんですか、へえ、いい趣味をお持ちで、くらいが関の山だと普通のベース弾きは思っていると私思うんですが、これは余りに私の僻みというものでしょうか。しかし、それにもかかわらず、何ゆえ我々はこの図体のデカい、融通のきかない、指を三本しか使わない、(知らない方はけっこういらっしゃると思いますので一応確認しておきますがベースという楽器は基本的には左手は人差指と中指と小指しか使いません。また薬指を使う時は小指は使いません。)弓の持ち方もヴァイオリンなんかとは違うような、楽譜の上ではたいしたこともしていない(と常識的には思われているであろう)楽器を我々は弾き続けるのか。はたしてあなたはその答えをこの演奏会で見つけることができるでしょうか?もっとも別に見つけてもらわなくても一向に差支えはないんですが。